保育士資格を国家試験を受験して取得するには、筆記試験8教科9科目の全てに合格した後に実技試験3科目の中から2科目選択受験して合格すると得られる資格ですが、特に実習体験は必要ではありません。
しかし厚生労働相の提案により保育士実技講習会の全てに参加する事で実技試験を免除される制度が平成29年から一部の自治体で施行される事になりました。
通信教育や独学での受験者には嬉しい制度となるでしょう。
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保育士実技講習会とは
保育士実技講習会とは保育士養成施設で言う実習に代わるもののようです。
養成施設では2週間程度、既存の保育施設へ出向き、実際に保育施設でオムツを替えたり歌を歌ったり園児と触れあったりと保育の実習体験します。
しかし保育士試験を独学や通信教育で勉強して保育士資格を取得した人は実習体験が出来ず、資格取得後に就職した初めての保育現場で戸惑う事も多くあります。
また実技試験対策での学びの他に表現技術を習得するチャンスも無く、不安に思う人もいます。
保育時実技講習会はそう言った戸惑いや不安を軽減するとための制度と言えます。
また保育士を増やすために実技試験での不合格者を減らすと言うのが厚生労働相の意向のようです。
地域限定保育士試験にて導入
厚生労働相は全国試験での導入前に、先ずは地域限定保育士試験から導入を推進しています。
それを受けて神奈川県では平成29年10月から12月に保育士実技講習会を実施します。
講習会では合計21時間+1日、全日程5日程度の講習会となります。
実技試験で行われる音楽表現、言語表現、造形表現それぞれの演習(各360分)
保育実践見学実習(事前指導60分)
保育実践見学実習(1日、実労6時間)
保育実践見学実習(事後指導120分)
独学受験者でピアノも弾けない、絵も苦手と実技試験に自信の無い人は講習会に全日程参加すれば合格となりますから朗報と言えるでしょう。
独学受験者ではなくてもプロフェッショナルな人から表現技術の演習を受けられるのは保育現場に出た時に大いに役に立つと思われます。
とはいえ、厚生労働相の発表している保育士試験の実技試験合格率は毎年9割近くに達しています。
保育士を増やす効果が本当にあるのかは少し疑問が残ります。
まとめ
受験者にとっては選択肢が増えるのは喜ばしい制度ではありますが、これからどれ程の都道府県、自治体で保育士実技講習会が実施されるのか?
また講習会に参加する受験者はいるのか?
保育実践見学実習を受け入れる保育施設の確保や負担を考えると費用対効果が気になるところです。
通信教育や独学での保育士試験受験者は今後の都道府県、自治体の動向や情報を見守る必要がありますね。